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吉田 鋼市著 『オーギュスト・ペレとはだれか』
判 型: 四六判
頁 : 192
定 価: 本体1800円+税
発 行: 2020.07
ISBN: 978ー4-86073-071-0
歴史の切断ではなく歴史の継承を求めて 20世紀初頭、パリの町並みに連続する「フランクラン通りのアパート」、近代の教会建築のひな形となる「ル・ランシーの教会」など、新材料の鉄筋コンクリート造による斬新な空間を創りあげたペレの仕事を余す所なく、第一人者の手によって書き下ろした力作。
書評のご紹介
日本においてオーギュスト・ペレは鉄筋コンクリート造建築のパイオニアとして知られるが、著者はペレがファサードに模様を付したことやシェル構造の壁に柱形を残したことなどから、彼の設計思想が古典主義の範疇にあったことを指摘、ペレを称揚する文章を残した吉田鉄郎と森田慶一が関心を持ったのも、構造や材料への注目からではなく作品が持つ伝統性からだった。こうした議論から浮かび上がるのは、鉄筋コンクリートを石材のように使用し、歴史的な景観や建築を繫げた「連続性の実践者」としてのペレの像である。
(「新建築」2020 9月号)
1947年兵庫県姫路市生まれ。横浜国立大学工学部建築学科卒業。京都大学大学院建築学専攻博士課程単位取得。1973~75年、エコール・デ・ボザールU.P.6および古建築歴史・保存高等研究センター在学。横浜国立大学大学院教授を経て、現在同大学名誉教授。工学博士。専門は西洋建築史・近代建築史。2015年、神奈川文化賞(学術)受賞。
著者略歴
よ し だ こういち
吉田 鋼市
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